ホワイトデー直前に、東京・丸の内のエシレ・メゾンデュブールに朝から並びました。
先日夫から、「ホワイトデーのお返しにエシレでおやつをプレゼントするから、一緒に朝から並ぼう!」と誘われたのです。
エシレとは、辻利やドゥバイヨルなどで知られる片岡物産が運営する、フランスのエシレバター専門店。
今ではデパートなどにも店舗がありますが、開業当初は東京丸の内にしか店舗がなく、毎日15台程度しか販売されない名物ケーキ「ガトー・エシレナチュール」をめぐって、店前が毎朝どえらいことになっていたことを記憶しております。

以前に一度、ガトーエシレナチュールを買ったことがあった為、「今年の3月13日(土)は雨だし、1時間前に着けばなんとなくいけるやろ」という謎の思い込みを夫婦で共有し、2021年のエシレホワイトデーチャレンジが始まったのでありました……。
丸の内エシレがあるブリックスクエアまでの、地下ルート
地上からも行けますが、東京駅の南口地下の京葉線に向かう道から向かうと、雨にも濡れず辿り着くことができます。
車椅子やベビーカーなどで階段やエスカレーターを使わないルートですと、まず東京駅地下南口から、KITTEに向かいます。

KITTEフロア地図の右上に「地下2階出口よりJR京葉線」とあります。このエレベーターを使って、地下2階の京葉線に出る通路に降ります。
そこから京葉線の案内を目指して進んでいくと、右側にブリックスクエアに入る入り口が見えてきます。

このエスカレーターの隣にはエレベーターもついています。
ブリックスクエアは東京駅からの導線に階段がなく、お洒落なお店もたくさんあるので、車いすの方やお子さん連れにも使いやすいと思います。
エレベーターならそのまま地上へ、エスカレーターを使う場合は、1階に上ったあとにもう一つエスカレーターがあるので乗り継ぐ必要があります。
ガトーエシレを買いたいなら、イベント時は開店1時間では間に合わない

開店は朝10:00です。
私たちは当初の予定よりかなり遅れて、9:10頃に到着。
すでに電車で東京駅に着く頃には、twitterで「もうガトーエシレは無理だ」という同胞の嘆きツイートを発見し、己らの出発時間のミスに気づき始めます。
そう、エシレを愛する剛の者たちはもっと早起きなのです。
そして辿り着いた時には、すでに開店50分前の時点でこんな感じになっておりました。

エシレは、東京駅から見ると、皇居側の丸の内仲通り側にあるのですが、雨の中だいたい70メートルくらいの行列がすでにできておりました。
傘があるので、人との距離感は2メートルくらいあるのですが、だいたい40人くらい前に並んでいたと思います。
先ほどのバターのかたまりみたいなケーキ「ガトーエシレナチュール」は、15台ほどしか販売されないので、この時点で「あ、今日もう無理だ」ということを察知。
いやあ、なめてました。
完全にホワイトデーのエシレをなめていた。
実際、並んでいると開店30分くらい前に、お店の店員さんが行列に沿ってカンペを両手に持って、「ガトーエシレ完売しました」と叫びながら走り抜けてくれました。
「開店前に絶望を客へ届けに駆け抜ける」というこの過酷な仕事を、何故か「俺も定年になったらやりたい」と夫が言うのを聞きながら、時が過ぎるのを待ちます。
ホワイトデー前日とあってか、心なしか単身で臨む男性が多いように感じました。
ちなみに、ガトーエシレが売り切れるということは、同じくらい販売数が少ないマドレーヌ・ア・パルタジェも、ほぼ同じタイミングで売り切れることになります。

以前クリスマスイブにチャレンジしたときも、確か1時間前ではこの2つの名物ケーキは買えなかったので、イベント時は最低でも、開店の1時間半以上前に到着する必要がありそうです。
10:00開店になって少しずつ列が進みますが、我々が店の前に辿り着けたのは50分後の10:55でした。
雨の中よく待った……!!
夫が持っていたタブレットの中に、桃鉄のアプリがなかったら発狂していたかもしれん。
店にあるもの全てを買いたくなる、おそろしきエシレの世界【生菓子、焼き菓子、パン】

エシレの店内は大変狭く、コロナ禍では6人程度しか入れません。
そりゃ開店してからも50分待つわなと思いましたが、とにかくすべてに目移りしてしまいます。
お客さん一人ひとりが、選ぶのに時間がかかってしまうのも分かります……!!

入り口右手には、エシレバターをたっぷり使ったフィナンシェやマドレーヌがお出迎え。
焼き立てはさくさくで、2日、3日と経つごとにしっとりしてくるそうです。


焼き菓子はこの他にも、サブレやガレットがたくさん入った可愛い缶もあり、「全部欲しい」という漠然とした衝動が抑えられません。
今回は夫婦ふたりで消費することを念頭に断念しましたが、人の家に持っていったら黄色い悲鳴が上がること間違い無し。はずれ無き手土産であります。

こちらはエシレバターをたっぷり使ったパン。

左からカスタードを焼き上げたパン・オ・レザン・エ・オ・ピスタシュと、リンゴのコンポートを包んだショソン・オ・ポム。
家に持って帰ってくるとそのハイカロリーさ、質量におののいている自分がいるのに、店頭だと何故か「パン類、ここからここまでください」って言ってるのが怖い。

左がパンオショコラ、真ん中がノーマルなクロワッサンで、下が原材料50%がバターという、クロワッサンじゃなくてお前の名前は今日からカロリーだよ、と言い渡したくなるような、けしからんパンです。
ちなみに開けている時に、「袋に名前書いてもらってなかったら、クロワッサン見分けつかない」と寝ぼけたことを考えてましたが、わかったわ。
明らかにギッシュな方が原材料50%だわ。

上段がすっかすかな様が「もうガトーエシレは売り切れてるからな、わかりましたね?」というオーラを醸し出しています。

生ケーキは、手前がシャポーエシレ、奥がミゼラブルの2種類でした。
どちらもエシレバターをたっぷり使ったお味。
結婚前に実家にミゼラブルを持って帰った時に「バターケーキだよ」と出したところ、父親が「バターケーキか~」みたいな反応だったのに、一口食べた時に「こ、こんなの、俺の知ってるバターケーキじゃない!!!」と驚いていました。
父の東京食文化への絶大なる信頼感を強めた、偉大なケーキです。
手前のシャポーエシレの方が生地が少し固めでどっしりとしていて、奥のミゼラブルは「口の中で溶けていく」という表現がふさわしいケーキです。
基本的にケーキ類はお味が似ていますが、売り切れ御免のガトーエシレは、このミゼラブルにとても似ています。
なんかあれです、「うわあ、今、バター食っちゃってるよ」という背徳感が似ている。


こうして欲望のままに買っていると、気づくと1万円弱のホワイトデーになっているのでありました。夫には大変感謝です。
並んでいる時に、両手いっぱいにこの袋を運ぶ人を見かけると「うわっ、すごい買ってるな!」と驚いたものですが、店内を見て「とりあえず、これも、あれも、あの人にも配ろう」と思って選んでいたら、結果的に「傘も差せないほどに買ってしまう」ということがよく分かりました。(マダム、ずぶ濡れやった)
ちなみに、開店から1時間後の11:00には、さっきの地図上の行列最後尾が、

ブルックスブラザーズについに到達し、エシレから100メートルの行列ができておりました。
これがホワイトデーの為せる業である。すごい。
並んでいる最中に顔に「?」を浮かべながら、「ここは、まだエシレへの列ですか?」とそりゃ聞いてくる人も現れるというものです。
そんなわけで本日はカロリー祭りが開催されるので、帰り道に胃薬を買うのでありました。
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