私が新卒で入社した会社は大きな規模で、入った時はそれなりに浮かれた気持ちになったものですが、30代を過ぎてから「会社行くのが辛いな」「苦しいな」と思うようになり、ポッキリ心が折れてコロナ禍だというのに辞めてしまいました。
いつにも増して有益な話でもないのですが、コロナ禍で転職活動するのってこんな感じでしたという読み物としてお楽しみください。
2020年4月コロナ緊急事態宣言下で転職スタート
2020年4月、第一回目の緊急事態宣言が出ました。
ちょうどその時に転職活動を始めたのですが、私は転職のセオリーである「次が決まったら辞める」を無視して、何もしないうちから「もう辞めますわ」と新卒で入社した会社に言ってしまいました。
完全にアホだったのですが、
①もう我慢できなかった
②辞めるのなら一日も早く引き継がないと、後任が死ぬと思った
という理由で、もはや衝動的に上司に対して退職を願い出てしまいました。
それまでも「ああ嫌だ、もう辞めたいよ~」とは言っていたのですが、一緒に暮らす家族である夫的には、「部署を変わるなどの交渉を始めても良いのでは」という感覚だったので、「今日、辞めるって言ってきちゃった」という言葉に驚いたようでした。
夫は、「そんな大事な決断は会社に言う前に、まず僕に話して欲しかった」というごくごくまっとうな意見を悲しそうに述べており、大変反省をした記憶があります。
でも当時はそれくらい追い詰められていたのでありました。
コロナ禍では希望する職種の求人が7割激減、選考も完全ストップ
私は管理部門のお仕事を望んでいた為、いわゆるメーカー、商社、会計事務所などにエントリーしまくっていたわけですが、転職エージェントの担当者から「2月と比較して、求人が7割消えた」と言われました。
面接が進んでいた会社もありましたが、選考は完全ストップ。
実は、この2020年春が、あらゆる企業が「オンライン面接」をやるか否かを協議していた時でもありました。
そもそも採用する側の人たちも当時出勤していないので、「やるにしても、どうやってオンライン面接ってやるの?」という状況だったようです。
私もその頃会社には在籍していましたが、ほとんど自宅待機を命じられており、悶々とした日々を送りました。
何で辞めるって先に言っちゃったんだろう、スーパー馬鹿じゃん、人生で初めて転職する時がコロナ禍だなんて!!
そんな調子で自分を呪いまくり、何度会社に「やっぱ辞めるの辞める」と言おうかと迷いましたが、ゴミみたいなプライドが許さないのでありました。
逆にコロナ禍で良かった①オンライン面接は良いことづくめ
緊急事態宣言が終わって、5月からようやくオンライン面接による選考がスタートしました。
本当に選考が可能なのか? と大変不安だったオンライン面接ですが、やってみるとめちゃくちゃ良いことがわかりました。
ズームの隣にカンペを映せる
新卒採用と同じですが、面接前は企業研究を行って、想定問答を行わなければなりません。
自分の経歴や成功体験などはどの会社に対しても同じことが言えますが、会社に対する印象、志望動機、質問事項などは企業別に作りこむ必要があり、覚えるのも大変!
しかしオンライン面接の場合は、視線をそれほど動かさずに、隣にエクセルでまとめたカンペを読むことができるので、だいたいの質問に落ち着いて対応が可能。
緊張していても、スムーズに答えることができて、これは本当に便利でした。
移動がないので面接を一日に何件も入れられる
私の場合は有給休暇消化中の暇人of廃人だったので、毎日のように面接を入れることができましたが、従来多くの転職者の場合は、「半日休んで、一回面接を入れる」「はしごできたら御の字だが、移動もあるので時間調整が難しい」という感じだったと思います。
オンライン面接の場合は、だいたい面接が30~40分くらいで終わるので、ものすごく疲れますが13時、14時、15時……など、次々に面接を入れることも可能です。
時間を節約できて、短期集中で転職活動を進めることができるのもオンライン面接の魅力です。
交通費が節約できる
3次面接くらいになると交通費を支給してくれるところもあるのですが、基本的に最初の方の選考では交通費を支給してくれない会社もありました。
私は都内在住→都内勤務だった為、せいぜい数百円程度の出費で済みますが、新卒の地方在住の学生さんたちは、オンライン面接でかなり転職活動が楽になったのではないかと思います。
私が元いた会社も、選考者に対して往復2万円などを支払うこともままあったので、企業側にもメリットがありますよね。
逆にコロナで良かった②経営不振の会社は転職市場から消える
GWまでに二次面接が進んだ会社があったのですが、ある時エージェントから電話がかかってきて「すみません、三次面接は無いとのことです……」と言われたことがありました。
えーーーっ、面接の手ごたえもあったし、次は社長にお会いしてもらいますって言ってたのに!!
すると、エージェントさんが「いや、実は会社様から採用自体を打ち切りたいと連絡があったのです」と……。
GW前は「うちはコロナでも大丈夫です」って言ってたのに、不況の波がすぐそこまで来ていました。
こんなとんでもない大不況に、私が入れる会社なんてあるんだろうか……落ち込んでいたのですが、その時エージェントさんから、「これはチャンスですね」と言われたのです。
今、転職市場には、優良な企業ばかりが生き残っている状態。
コロナ禍を逆手にとって、長く安心して働ける会社を探すチャンスですね! と励ましてもらえたのです。
確かにな!!!
この力強いメッセージのお陰で、「私が入ってから潰れる前に、市場から消えてくれてありがとな!アバヨ!!!」と強い気持ちで転職を進めることができました。
転職活動開始から3か月目でようやく内定GET
在宅勤務する夫に毎日泣き言を言いながらも、最終的に2社から内定をもらうことができて、転職活動を終了することができました。
本当に良かったです。いわゆる国公立とか早慶上智的な学歴もありませんし、決して経験豊富な社会人ではなかったと思うのですが、なんとかなるもんだ……。
ちなみに全く雰囲気が異なる二社から内定が出て、大変迷ったのですが、IT夫が項目別に点数付けした表を作成するという理系男子ぶりを発揮して頂き、有意義に比較することができました。
ありがとうございますダイエット夫さん。
ちょっとだけ無職だった瞬間があったのですが、健康保険や国民年金も払って頂いたりして、大変嬉しかったです。
転職して良かったと思うこと
転職して良かったのは、何の話やねんと思われるかもしれませんが、「誰かに常に怒っている」のと、「正当防衛を主張し続ける」状態から脱せられたことです。
今考えると前の会社にいたときは、毎日電話が鳴る度に怒り、切った後も怒り、メールを返す度に怒っていましたね。
・なんでこんなことくらいで電話してくるの?!
・私一人で捌ける量じゃない
・代行してくれる人がいない!具合が悪くて寝てても連絡が来る!
・なんで暇な部署の奴が私に仕事を押し付けてくるの?
・残業するなって言いながら、明日期限の書類が夕方に届くってどういうこと
・上司が私の状況を無視して、何も理解せずに承認だけしてくる!
・私より給料がいいなら、私に聞かずに自分で判断してよ
とまあ、毎日こんな感じで四六時中イライラしていたわけです。
私は転職前、その時それが普通だと思っていたんです。
仕事というのは常に外的なストレスを与え続けられていて、「過剰防衛」をし続ければ、やり通せないものなのだと。
「あなたに半年前に送ったメール文の返信を添付しますが、これ前も言いましたよね?」
「以前に私の上司がこういう文書を出して、周知したはずなんですけど」
やられる前にやっちまう、という精神で、常に自分を守る為に攻撃的な考えを持つしかない。
だってそうしないと、「私が悪かったことにされる」「私がミスしたみたいになる」、という気持ちで生きていたんです。
だから、正直転職しても「どこの会社だって変わらないから、細心の注意を払って生きていくしかない」と思っていました。
なので、転職して本当にびっくりしたんですよ……。
誰も怒ってない職場っていうのに、初めて出くわしたので。
例えば新しい職場で、誰かが何かミスをしたり、ちょっと違うなと思ったことがあったとします。
私はバーサーカー出身なので、「向こうの上司TOにして、この人CCで、下記の件どうなってますか?って聞きますか」と上司に尋ねたんです。
そうすると上司が私のバーサーカーっぷりにドン引きしながら、「いや、そんなこと言わなくていいよ。普通に理由を本人に説明すればいいんだし」と言うわけです。
でもいかんせん、戦闘民族出身の私としましては内心、(そんなこと言ったら、相手が調子づかないだろうか……? この前許してくれたんだから次回も対応しろ!とか言ってこないか……?)と不安になるのです。
でも大丈夫なんです。
ちゃんと「ごめんなさいね、教えてくれてありがとう。次から気を付けるね」で終わるんです。
私、この環境にこの数か月ですっかり慣れてしまっていますが、ようやく「もしかして元の職場って、人間同士がいがみ合い戦う為のコロシアム会場みたいになってた?」って気づきました。
なので、もしも今転職しようかな~~って悩んでいて、「でもどうせ転職しても意地悪な人からは逃れられないし、お局になんか言われるし、心にメリケンサック仕込まないと生きていけないなら今の給与で満足しよ……」と自分をなだめている人がいたら、「そのメリケンサック捨てられる会社も、この世にありましたよ」と言いたいです。
こんだけ言うと、お前どんな会社にいたんだよと思われるかもしれませんが、部署が悪かったというのもありますし、友達がまだ社内にいっぱいいるし、私と夫が出会えたのも同期のお陰なので、決して嫌いではない(だが二度と勤めたくはない)です。
というわけで大して人の役に立つとは思えない話でしたが、私の2020年コロナ禍まっさかり★転職ストーリーでした。
コメント